欧州銀行大手のドイツ銀行は2017年3月5日、約9700億円の資本増強を柱とした2つの新しい経営計画を決定。ひとつは大型増資で、来月までに手続きを完了させるという。増資により財務基盤を強化しつつ、リテール業務の拡充を図る狙い。2つめは組織再編に向け予定されていたグループ会社のポストバンクの売却を撤回し、本体に吸収する。個人向けの取引で稼ぐ姿勢を鮮明にする一方で、店舗の統廃合などの合理化を進めてコスト削減を図る。

ドイツ銀行は過去の不正取引が相次いで発覚し、訴訟費用や制裁金が経営を圧迫。昨年末は米国での不正解決のため、約8200億円を支払うことで米司法省と和解。2016年決算が赤字となった。信用力と収益力の双方を高めることを狙い、体制を整える。
 

ドイツ銀行 9700億円の増資で経営立て直しへ

項目 内容
資本増強 9700億円
経営計画 ・大型増資(2017年4月までに手続き完了)
・ポストバンクの売却を撤回、本体に吸収