サンバイオは、2016年10月26日、神経系疾患を対象に再生細胞薬SB623の外傷性脳損傷を対象としたフェーズ2臨床試験で、日本国内で最初の被験者組み入れが開始されたと発表した。外傷性脳損傷授業後12ヶ月以上が経過した慢性期の運動障害を持つ患者を対象に評価を行う。米国では2016年7月に被験者の組み入れを実施している。

再生細胞薬SB623とは、一過性に遺伝子導入した成人骨髄由来の間葉系幹細胞を加工・培養して製造したもの。脳内の神経組織に投与されると自然な再生機能を誘発することで、失われた運動機能の改善を促すことが期待される。

外傷性脳損傷は、自動車事故や転倒、スポーツ外傷などから引き起こされ、患者に運動機能不全など生涯にわたる生涯をもたらすことも多いが、現時点では効果的な治療法は存在しない。外傷性脳損傷により後遺障害を抱える人は、米国だけでも530万人に上ると推計されている。