財務省は、2014年5月12日、2013年度の国際収支速報を発表した。日本が海外とのモノやサービス、配当など総合的な取引を示す経常収支は7899億円の黒字となった。貿易赤字が大幅に膨らんだのが主因。企業が海外生産を増やした影響で、円安傾向でも輸出が伸び悩んだ。

2013年度の貿易収支は10兆8642億円の赤字。輸入は20%増の80兆6681億円。原子力発電所の稼動停止で液化天然ガス(LNG)などエネルギーの輸入が増加。前年比約17億円の円安による輸入価格の押し上げ。消費増税前の駆け込み需要による原料や消費財の輸入が一時的に増加した。輸出は12%増の69兆8039億円。欧米景気の持ち直しで海外需要が回復しつつある。一方で、多くの企業が生産拠点を海外に移しており、大幅な円安にもかかわらず輸出は緩やかな回復にとどまった。 旅行や輸送などのサービス収支は3兆5779億円の赤字。訪日外国人が増え、国内サービスへの支払いが増加した。海外からの配当金などを示す第1次所得は14%増の16兆6596億円。


2013年の国際収支

  経常収支 貿易収支 サービス収支 第1次所得収支
2013年 7899億円 ▲10兆8642億円 ▲3兆5779億円 16兆6596億円