政府は、2014年1月14日、通常国会を1月24日に召集することを決めた。会期は6月2日までの150日間となる。 通常国会では、4月の消費増税を控え、補正予算を2月上旬、2014年度予算案も3月末までに成立させる考え。成長戦略にかかわる雇用規制を緩和する労働契約法改正案やTPPをにらんだ農業改革として米の生産調整を廃止する法案、2013年秋の臨時国会で先送りした原発輸出に欠かせないトルコ、アラブ首長国連邦(UAE)との原発協定処理などが課題になる。 {通常国会の重要課題}
課題 内容
継続審理 会社法改正案 親会社の株主が子会社経営陣の責任追及を可能に
原発輸出 トルコ、UAEとの原子力協定
国家公務員制度改革法案 内閣人事局を設置し幹部公務員人事を一元管理
提出 労働契約法改正案 有期雇用を5年から10年に
減反関連法案 2018年度に減反廃止
景品表示法改正案 食品の偽造表示を防ぐため監視強化
{2014年度予算案} 2013年12月24日、政府は2014年度予算案を決めた。一般会計総額は95兆8823億円、高齢化に伴う社会保障費は30.5兆円、道路や橋などを補修する公共事業費は6兆円、国債費は23.3兆円とした。一方、歳入面で税収は2014年春の消費増税で4兆5350億円加わるほか、法人税収が10兆円に伸びることから、50兆10億円を見込む。新規国債発行額を1兆6000億円減らし、41兆2500億円とする。
2013年度 2014年度(案)
一般会計総額 92.6兆円 95.9兆円
社会保障費 29.1兆円 30.5兆円
公共事業費 5.2兆円 6兆円
国債費 22.2兆円 23.3兆円
地方交付税 16.3兆円 16.1兆円
その他 19.6兆円 20兆円
歳入 2013年度 2014年度(案)
税収 43.1兆円 50兆円
新規国債発行額 42.9兆円 41.3兆円
税外収入 4兆円 4.6兆円
【社会保障費】 年金や医療費などにかかる社会保障費予算は30.5兆円とする。医療費にかかる費用は高齢化により国費だけでも約4000億円規模で増加。消費増税による税収を財源に、子育て支援や難病対策などに3000億円を充てる。 一方、社会保障費の膨張に歯止めをかけるため、安い後発薬への置き換えや国が一定額を負担する医療サービスの診療報酬改定などを進めることが課題となる。 【公共事業】 道路や橋などを補修する公共事業費は6兆円とする。整備新幹線関連予算の増額や防災関連予算を増やす。2020年東京五輪に向けた首都圏3環状道路の工事にも予算を配分する。 【日本の成長力底上げ策】 医療の最先端研究開発の司令塔となる「日本版NIH」の設立費用や、世界で勝ち残る大学への支援、新型ロケット事業などに1兆9000億円を計上。 【国債発行額】 国債の総発行額は181兆5388億円で、新規発行額を41.3兆円、財投債が16兆円、借換債が122兆円、復興債が2兆円となる。長期金利が0.6%台と低水準であることから、長期債の30年債を増やし、借換債を発行する回数を減らし、将来の利払い費を抑制する。
国債 金額
国債発行総額 181兆5388億円
新規国債発行 41兆2500億円
財投債 16兆円
借換債 122兆1495億円
復興債 2兆1393億円