世界的に豪雨や竜巻などによる災害が増えていることから気象衛星の高性能化が求められている。三菱電機は、2019年度をめどに新型気象衛星を実用化する見通し。高精細のカラー動画を撮影し送信し、ほぼリアルタイムで気象状況を把握。積乱雲の発達などを素早く推定し、台風や集中豪雨などへの注意喚起に活用する。 現在の気象庁が運用している気象衛星「ひまわり」は、地球の表面の4分の1の範囲を一度に撮影。30分ごとに白黒の静止画像を観測している。一方、三菱電機の新型衛星は「ひまわり」より画像処理性能を2000倍以上に高め、雲の動きなどを動画で観測できるようになるという。1基あたりの販売額は200億円から300億円になるもようで、日本の気象庁に加え、新興国など海外でも受注を目指すとしている。 三菱電機は2015年に本格運用が予定されている「ひまわり8号」の送受信アンテナ・衛星管制設備などの設計・製造・現地据付を担当。2016年夏頃に打ち上げを予定している「ひまわり9号」も三菱電機が受注している。 {新型気象衛星の特徴}
特徴
積乱雲の動きから集中豪雨の発生を予測
大型台風の経路を把握
黄砂の監視
津波の様子を確認
海上での不審船を発見
船舶や航空機の安全な運転を指示