2015年からASEAN域内の関税障壁が原則撤廃される見通しで、外資企業は関税を気にせず域内で自由に投資先を選択できるようになることから、外資誘致を強化するため、アジア諸国は法人税の引き下げに動いている。

ベトナムは2013年6月に法人税率を25%から22%への引き下げを決定。2014年1月から適用した。タイは2012年1月に30%から23%、2013年には20%に引き下げ。ミャンマーは2014年4月に30%から25%、フィリピンは2009年に35%から30%に引き下げている。

先進国では、英国が2013年3月に2015年4月より23%から20%に引き下げると発表。日本は2016年度までに引き下げ幅を2%台後半にする方針。米国は2013年2月の一般教書、2016年度の予算教書で35%から28%に引き下げることを盛り込んだ。


主要国の法人税率とGDP

法人税率 GDP
(又は法人実行税率) 2013年 2014年
日本 38.61% 2.3%  
米国 39.1% 1.9% 2.4%
英国 24% 1.9% 2.6%
ドイツ 29.55% 0.4%  
フランス 33.33% 0.3%  
イタリア 27.5% ▲1.9%  
韓国 27.5% 2.8% 3.3%
香港 16.5% 2.9%  
中国 25% 7.7% 7.4%
タイ 20% 0.9%  
インドネシア 25% 5.78% 5.02%
マレーシア 25% 4.7%  
シンガポール 17% 4.1%  
フィリピン 30% 7.2%  


【米国】
 米オバマ大統領は、2013年2月の一般教書演説で、法人税を引き下げると共に、減税措置を撤廃し、富裕層に増税を求めるとした。法人税の最高税率を35%から28%に引き下げることを含む法人税の見直しを提案。特に製造業に関しては、さらに低い特別税率を適用するとした。

また、2016年度の予算教書でも、法人実行税率を35%から28%に引き下げることを盛り込み。国内製造業の税率はさらに3%低い25%に優遇する考え。一方、米グローバル企業が海外に留保する利益には、原則19%の税率で強制課税。企業が海外資金を米国にもどして国内投資に回す場合の税率は14%にとどめる。