約112兆円の公的年金資金を運用する年金積立管理運用独立行政法人(GPIF)は、2013年6月7日、運用の目安とする資産構成割合を変更したと発表した。 GPIFは規定の資産構成割合と比べ、実際の保有割合が一定以上離れると、保有する株式や債券を売却して元の割合に戻す必要がある。2012年秋以降の株高で、保有株式の評価額がふくらみ、売却の必要性に迫られていた。資産構成割合を変更することで、機械的に売却される事態を回避する。 国内債券の比率を67%から60%に下げ、国内株式比率を11%から12%に上げる。また、外国債券は8%から11%に、外国株式も9%から12%に上げる。低リスク低利回りの国内債の運用を縮小し、株式や海外資産など、高リスク高利回りの資産により多く配分する。 なお短期資金は5%で変更しない。 今回の資産構成割合の変更で、長期的な運用利回りは3.34%から3.42%に上昇する見通し。


GPIFの資産構成割合の変化

投資資産 現在 変更後 増減額
短期資産 5% 5% -
外国債券・株式 17% 23% 6.7兆円
国内株式 11% 12% 1.1兆円
国内債券 67% 60% ▲7.8兆円