厚生労働省は、2019年3月18日、ゲノム編集で開発した一部の食品は従来の品種改良と同じであるとして、厚生労働省の安全審査を受けなくても届け出だけすれば流通を認める方針を固めた。早ければ2019年夏にもゲノム編集技術を使った食品が市場に流通する。

ゲノム編集は遺伝子を改変する技術。遺伝子組み換え技術は、微生物などの別の生物の遺伝子を入れることで、農薬や害虫に強い品種を作る。耐病性など限られた機能しか持たせられず、他の生物の遺伝子が入るため、安全性に対する不安が根強い。

ゲノム編集技術は、主に遺伝子を切断して働きを止める方法で作物自体の遺伝子を改変するため、安全性が高いとされる。遺伝子によって味や栄養を自在に変えることもでき、消費者にメリットの大きい品種が短時間で開発できる。

一方、ゲノム編集には新しい遺伝子を挿入する方法もある。厚労省は、この手法は安全性の確認が必要として、これまでの遺伝子組み換えと同じように安全性を審査する。