太陽誘電は、売上高3000億円、ROE10%以上を目指している。商品基盤では、15種類のスーパーハイエンド商品とそれに続くNextハイエンド商品の拡大を目指す。顧客基盤では、売上全体の70%を占める50社の顧客企業を選定し注力。これらの取組で、スーパーハイエンド商品比率50%、注力すべき市場比率30%をターゲットとする。

項目 計画
売上高 3000億円
ROE 10%以上


戦略投資

太陽誘電は、2015年~2017年に総額1000億円の戦略投資を実施。スーパーハイエンド商品の生産体制を拡充する。

積層セラミックコンデンサでは、新潟県の拠点に第2棟を建設。他の生産拠点での能力増強も実施し、需要拡大が続く小型大容量品の生産を増強。生産能力を2014年比10%増に高める。

インダクタでは、2015年9月までにメタル系パワーインダクタ「MCOIL」の生産能力をを50%拡大。月産6億個体制を確保する。記録メディアを生産していた福島県の拠点でも「MCOIL」の新製品を生産。和歌山県の拠点でも増産対応する。

通信デバイスでは、東京都青梅市の拠点へ生産集中し、能力増強と生産性改善を図る。


スマートフォンと車載電子機器市場への戦略

【スマートフォン】
スマートフォンの市場規模は、全体の台数が2014年の12.4億台から2017年には17億台、LTE対応モデルは5億台から12億台に増加する見通し。

太陽誘電は、スマートフォン向け高周波部品などを含む通信デバイス事業の売上高を2017年度に580億円と2014年度比で倍増させる計画。高速通信サービス「LTE」の普及で中国などで高周波部品の需要が急増。生産能力を高める。

LTE対応のスマートフォンは1台で複数の無線周波数を使い分けるため、周波数をより分けるフィルターなどの部品が欠かせない。スマートフォンの販売台数は頭打ちだが、1台に使われる高周波部品の数は増えている。

項目 2014年 2017年
全体 12.4億台 17億台
LTE 5億台 12億台
太陽誘電の通信デバイス事業 290億円 580億円


【車載電子機器市場】
車載電子機器市場は2012年の18兆円から2020年には30兆円になる見通し。車の電子化が進む中で、信頼性の高い積層セラミックコンデンサや大電流インダクタ、高性能通信デバイスなどが求められ、生産台数と部品需要が拡大する見通し。

  2012年 2020年
車載電子機器市場 18兆円 30兆円