エナリスは、2014年10月9日、東芝ITコントロールシステムから大量調達した蓄電池を安価な初期費用で設置提供し、遠隔で充放電制御するサービスを開始すると発表した。蓄電池の設置目標台数は1万台。2015年をめどに約1万台の蓄電池をつなぐ全国規模のネットワークを構築する。

投資額は約250億円のもようで、資金は銀行借入で賄う。投資額は2014年度の経常利益予想の10倍規模の大型投資となる。


蓄電池1万台で遠隔制御サービス

エナリスは天候などに応じて電力の需要を予測し、蓄電池の充放電を遠隔で操作。顧客は通常の代理購入サービスに加えてさらに電気料金の割引を受けられる。顧客は蓄電池の導入で電気料金が3~5%安くなる見通し。エナリスは月額のサービス料金のほか、蓄電ネットワークを使って節電に応じることで電力会社から報酬を得る。

 

太陽光や風力などの再生可能エネルギーを大量に導入するには、発電量の自然変動に対応して安定供給を実現できる蓄電池が必要になる。蓄電池を市場に大量供給することで、再生可能エネルギーの普及促進につなげる。

項目 内容
投資額 250億円
投資対象 1万台の蓄電池をつなぐ全国ネットワークの構築
効果 電気料金3~5%安のサービス提供
再生可能エネルギーの普及促進
収益 月額サービス料金収入
蓄電ネットワークを使った節電に伴う電力会社からの収入


エナリス 

【業績推移】

  売上高 経常利益 純利益 純資産 総資産 自己資本比率
2015年(予)  794億円 4.6億円 3.3億円 - - -
2014年 320億円 ▲9.2億円 ▲30億円 59億円 238億円 23.3%
2013年 101億円 6億円 4億円 26億円 60億円 42.3%
2012年 51億円 5億円 4億円 7億円 20億円 37.7%
2011年 14億円 3億円 2億円 3億円 9億円 36.5%


資金調達推移 

発表月 調達方法 調達額 資金使途 期間
2014年10月 銀行借入 250億円 1万台の蓄電池をつなぐ全国ネットワーク構築 2015年をめど
2014年5月 増資 55億円 販売用発電所の建設に伴う運転資金 2014年
新規バイオディーゼル発電所建設