オリンパスは、2013年7月8日、公募増資や自社株売却で1181億円を調達すると発表した。米国及び欧州を中心とする海外市場において募集を行う。増資後の発行株式数は約10%増える。払い込み期日は2013年7月25日から29日。 増資後の手持つ資金は3000億円規模に膨らむ。世界シェア約70%の消化器用内視鏡の研究開発の他、新興国での医療機器生産・販売拠点の拡充など成長投資に振り向ける。海外工場の新増設や機器メーカーの買収を検討しているもよう。また、粉飾決算事件に絡む損失で2011年には4.6%に落ち込んだ自己資本比率が2012年には15.5%まで回復。公募増資後は25%に上昇する見通し。自己資本を強化し、安定した事業運営につなげる。 {主要業績指数}
売上高 経常利益 純利益 純資産 総資産 自己資本比率
2013年(予) 7200億円 500億円 ▲40億円 - - -
2012年 7438億円 130億円 80億円 1524億円 9600億円 15.5%
2011年 8485億円 178億円 ▲489億円 480億円 9665億円 4.6%
2010年 8471億円 383億円 38億円 1155億円 1兆191億円 11.0%
2009年 8830億円 460億円 525億円 1631億円 1兆1045億円 14.1%
{世界シェア70%の消化器用内視鏡を含む医療セグメント推移} 世界シェア70%の消化器用内視鏡を含む「医療」セグメントは、2012年度は売上高の53%を占め、デジタルカメラ事業の約230億円の赤字を補い全体の黒字を維持する中核セグメントとなっている。 【内視鏡を含む「医療」セグメント】
  売上高 営業利益 資産
2012年 3948億円 870億円 5053億円
2011年 3492億円 681億円 4623億円
2010年 3554億円 716億円 4365億円
2009年 3507億円 752億円 4478億円
2008年 3838億円 754億円 4566億円
2007年 3533億円 984億円 5201億円
(注:調整前数値) {経営目標}
  売上高 営業利益 経常利益 純利益
2016年 9200億円  1430億円  1250億円  850億円 
2014年 7600億円  930億円  700億円  450億円 
2012年 7439億円  351億円  130億円  80億円 
今後の成長投資を世界シェア約70%を持つ消化器内視鏡を含む「医療」セグメントを中心に振り向け、投資効率を改善すると共にキャッシュフローを最大化し、有利子負債を削減する。消化器内視鏡分野では、更なる基盤の強化によって安定的な収益を確保しつつ、先進国を初めとする内視鏡医療の高度化や新興国市場などでの市場拡大を収益面での成長に結びつけるとしている。