安倍晋三首相は、2015年9月24日、2020年に向けた経済成長の推進力となる経済政策アベノミクスの新たな3本の矢を発表した。「強い経済」「子育て支援」「社会保障」の政策強化を進める。

強い経済ではGDPを600兆円に増やす。子育て支援では合計特殊出生率を1.8まで回復させる。社会保障では介護離職ゼロの実現を目指す。


アベノミクス 新3本の矢

項目 内容
強い経済 GDP490兆円→600兆円
子育て支援 合計特殊出生率1.4→1.8
社会保障 介護離職ゼロ

【強い経済】
経済再生に向けて国内総生産(GDP)を2014年度の490兆円から600兆円に増やす目標を掲げた。GDPが実質で2%、名目で3%で、2020年度に594兆円、2021年度に616兆円に達するという内閣府の中長期試算に基づく。女性や高齢者、障害者らの雇用拡大や地方創生を本格化する。


【子育て支援】
合計特殊出生率を1.4から1.8まで回復させる目標を掲げた。保育園に入れない待機児童をゼロにすることや子育てに係る経済的負担を軽くするための幼児教育の無償化拡大、結婚支援、不妊治療などに取り組む。


【社会保障】
介護を理由とした退職による「介護離職ゼロ」を実現する。2016年度から特別養護老人ホームの大規模な整備を行う。特別養護老人ホームに入所できない待機者を巡っては、2020年代初めまでの解消を目指す。厚生労働省の試算では2025年に38万人の介護職員不足が見込まれている。