スイス中央銀行は、2015年1月15日、スイスフランの上限を抑えるために対ユーロで設定していた1ユーロ=1.20スイスフランの上限を撤廃すると発表した。米国経済の回復を背景に対ドルでユーロとスイスフランが下落してきたため「フラン相場の過大評価は少なくなった」「(フラン高を阻止するための無制限介入は)正当化されなくなった」とした。

無制限介入などに伴い、スイス中銀の2014年11月時の総資産は5253億スイスフランで国内総生産(GDP)の約82%を占める。2005年の約5倍に増加し、増加分のほとんどはユーロを中心とする外貨資産となっている。スイス中銀が保有するユーロは、ユーロ安で含み損を抱える。2015年初めとみられるECBの量的緩和などでユーロ安がさらに進む可能性があり、ユーロ買い・スイスフラン売り継続による含み損の増加リスクの回避に動いた。

一方、1月22日に中銀のマイナス金利幅を年0.25%から0.75%に拡大。政策金利も下げ、ロンドン銀行間取引金利の3ヶ月ものでマイナス1.25%からマイナス0.25%とする。


スイス中銀の金融政策

項目 内容
為替 1ユーロ=1.20スイスフランの上限撤廃
マイナス金利 0.25%→0.75%
LIBOR3ヶ月もの ▲1.25%→▲0.25%