2013年7月19日、20日にモスクワで20カ国・地域財務相・中央銀行総裁会議(G20)が開催される。前回までのG20では先進国の金融緩和による過度の資金流入が資産バブルを招くとの懸念を示してきた。今回は議論の軸が資金流入から資金流出に移る。 今回のG20の焦点は、主に新興国景気の減速に伴う世界経済の下振れリスクの回避で協調できるかどうか。また米金融緩和縮小見通しにより新興市場から資金流出が強まっていることから、新興国の資金流出の実態について協議される。


中国のシャドーバンキング問題

 G20では銀行を介さず企業間で資金を融通する「シャドーバンキング」問題について中国に説明を求める見通し。 シャドーバンキングの代表的商品である「理財商品」規模は、中国政府は8.2兆元(約130兆円)と発表。英フィッチ・レーティングスは13兆元と発表しており、実際の規模は不透明となっている。中国政府による影の銀行の資金規模の認識や対応策、金融システム安定化策などについてどのような認識を示すかどうかに注目が集まる。


米FRB 金融緩和縮小へのシナリオ

 2013年6月19日、米FRBバーナンキ議長は月額850億ドル(約8兆6000億円)を買い付けている資産購入プログラムを2013年内にも段階的に減額し、その後も景気が予想通り回復するのなら2014年半ばには資産購入を終了させたいとのシナリオを示した。これに伴い新興市場から資金流出が強まっており、新興国の資金流出の実態について協議される。