スカイマークは、2015年1月28日、民事再生法の適用を東京地裁に申請し、受理されたと発表した。負債総額は710億円で、欧州エアバスから求められている最大7億ドル(約820億円)の損害賠償など簿外の債務を合わせると1000億円超になる見通し。今後は裁判所が選任する弁護士と共にスポンサーの選定と再生計画に着手する。再生計画がまとまるまでの運転資金は投資ファンドのインテグラルによる支援を受ける。燃油費などの支払いや運行は継続する。

また、東京証券取引所はスカイマーク株を3月1日付けで上場廃止にすると発表した。1月28日付けで整理銘柄に指定され、約1ヶ月の期間を経て上場廃止となる。


A380型機でエアバスと交渉

スカイマークは2014年度からの国際線事業への参入を目指し、2011年2月にエアバスとA380型機の購入契約を締結。6機を2014年10月から2019年12月に段階的に導入する計画だった。総投資額は約1915億円。

しかし、近年の円安や競争激化で経営環境が厳しくなり、代金の支払いめどがたたないことから、エアバスは契約不履行として契約解除を通告。違約金として7億ドル(約820億円)を要求した。また、スカイマークは購入費用の前払い金として約250億円を前払いし、資産として計上している。エアバスはこの前払い金についても返還に応じないもようで、解約が確定すれば損失処理が必要になる。

スカイマークはエアバスと違約金額について交渉を継続中としている。


【スカイマークのA380型機導入計画】

項目 内容
総投資額 1915億円
対象 エアバスA380型機6機
期間 2014年10月~2019年12月


【A380型機契約解除での影響額見通し】

項目 内容
前払い金 約250億円
違約金 約710億円

 

経営対応策 

【航空会社と提携交渉】
2014年11月21日、日本航空に対し支援を要請していることを表明。日本航空と共同運航。共同運航により自社サイトの直販売から販路を拡大し、年間80億円の増収効果を見込む。また、全日本空輸にも提携を通じた支援を要請。日本航空と全日本空輸との共同運航で約160億円の増収効果を見込む。両社からの資本は受け入れない見通し。3月29日より始まる夏ダイヤからの共同運航実現に向け交渉を進めている。

なお、羽田発着枠の国内線は共同運航に国土交通省の認可が必要になる。国土交通省は日本航空と全日本空輸が検討している共同運航を5年限りとするよう求める見通し。


【コスト削減】
2014年8月14日、10月26日から路線数を34から27に削減すると発表した。成田空港などから撤退。撤退により年間約30億円のコスト削減が見込まれている。また、2015年夏に計38機を運用するとしていた機材の拡大計画も断念し、30機前後へと縮小するもよう。
 

項目 内容
削減効果 30億円



業績推移

  売上高 経常利益 純利益 純資産 総資産 自己資本比率
2014年(予) 882億円 ▲115億円 ▲136億円 - - -
2013年 859億円 ▲4億円 ▲18億円 446億円 787億円 56.2%
2012年 859億円 80億円 37億円 468億円 742億円 62.6%
2011年 802億円 157億円 77億円 428億円 677億円 63%
2010年 580億円 109億円 63億円 173億円 373億円 46.1%