空気電池は、電気中の酸素を取り込んで化学反応することで電気を生み出す。酸素は無尽蔵に供給されるため、理論上は電気を蓄えられる量がリチウムイオン電池の5~10倍に達する。プラスとマイナスのうち、プラス側の電極が金属から酸素に代わる。各段に軽くなり、材料コストも抑えられるという。現状では、すぐに性能が低下してしまい、実用化への大きな課題となっている。

空飛ぶ自動車やウエアラブルデバイス、ドローン、ロボットなどあらゆる産業への拡張性を持つ電池として期待されている。


空気電池 注目の関連銘柄

コード 企業・団体 内容
6955 FDK 2022年の実用化を目指す
9432 NTT リチウムを使うタイプで長寿命電池を試作
- 物質・材料研究機構 2025年の実用化を目指す
9984 ソフトバンク
5727 東邦チタニウム 車載電池向けに容量を5倍にする技術を開発
6937 古河電池 負極材料にマグネシウムを使う空気電池を開発
7203 トヨタ自動車 BMWグループと共同研究
- 韓国サムスン電子 2030年の実用化を目指す


【FDK】
水素を酸素と化学反応させて電気を作る。ハイブリッド車などに使われるニッケル水素電池の構造を生かし、ニッケルを使う正極を酸素に置き換え。貴金属のルテニウムを主成分とする微粒子を付け、反応を進みやすくした。充電と放電を500回繰り返しても、性能の低下は1割以下だった。再生エネルギーの電力貯蔵向けなら、10年ほど使えるもよう。2022年ごろの実用化を目指す。


【NTT】
リチウムを使うタイプで長寿命電池を試作。リチウム空気電池は、充放電を繰り返すと不要な物質ができて性能が低下する。充電や放電に必要な化学反応を進める働きがあるマンガンを主成分としたかがう物を混ぜたリチウムを負極に使用。充電や放電を100回繰り返しても性能が落ちないことを確認した。今回の成果を手掛かりに最適な材料の探索を進める。配合の工夫などで寿命を延ばす。


【物質・材料研究機構 ソフトバンク】
物質・材料研究機構とソフトバンクは、リチウム空気電池を共同研究。カーボンナノチューブやグラフェンといったナノ炭素材料などを使用。容量はリチウムイオン電池の15倍。100回以上の充放電でも劣化しないことを確かめた。2025年の実用化を目指す。

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