日立工機は、2015年11月13日、独メタボ社を買収すると発表した。メタボ社の親会社であるPTI社を買収し、メタボ社の少数株主持分を取得する。投資額は約221億円。完了は2016年3月1日。

2015年度の業績見通しである営業利益70億円に対して3.1倍、純利益49億円に対して4.5倍の大型投資となる。


日立工機 独メタボ社を買収

項目 内容
投資額 PTI株式100% 169億円
メタボ株式100% 45億円
費用 7億円
合計 221億円

 


独メタボ社の特徴・業績推移と日立工機の計画

メタボ社は電導工具の製造販売会社。世界25ヶ国に販売拠点を持ち、ドイツを始め、欧州を中心に販売網を持っている。製品では高出力セルによるハイパワーなリチウムイオン電池搭載製品やディスクグラインダをはじめとした金属加工製品を得意としている。

日立工機は、メタボ社の持つブランド力と欧州市場の販路を獲得。2020年度までに売上高2500億円~3000億円、営業利益率10%以上を目指す計画。


【PTI社】

  オランダ基準 IFRS
2012年 2013年 2014年
売上高 142億円 441億円 468億円
営業利益 2.9億円 13億円 14億円
純利益 ▲3.2億円 ▲0.1億円 1.4億円
純資産 11億円 9.2億円 25億円
総資産 235億円 234億円 279億円


【メタボ社】

  ドイツ基準 IFRS
2012年 2013年 2014年
売上高 431億円 441億円 468億円
営業利益 14億円 10億円 17億円
純利益 33億円 ▲3.2億円 3.3億円
純資産 28億円 23億円 33億円
総資産 285億円 230億円 281億円


日立工機

 【財務】
2015年度営業利益見通し70億円、純利益見通し49億円と保有現金316億円から、投資221億円に対する財務は健全に推移。

  2014年
現金及び預金 316億円
有利子負債 102億円


【経営戦略】
電動工具事業では、日本と欧州、北米といった先進国に経営資源を集中投資する。得意とする高容量のリチウムイオン電池搭載製品や高効率なブラシレスモーター搭載製品の拡充により、売上高の拡大を図る。ライフサイエンス事業では、大学や官公庁研究施設の潜在需要の掘り起こしや民間企業向けの営業強化などを進める。


日立工機の業績推移

 IFRS 売上高 営業利益 純利益 資本 資産 自己資本比率
2015年(予) 1445億円 70億円 49億円 - - -
日本基準 売上高 営業利益 純利益 純資産 総資産 自己資本比率
2014年 1375億円 65億円 29億円 1183億円 1560億円 75.2%
2013年 1333億円 44億円 16億円 1112億円 1497億円 73.7%
2012年 1156億円 63億円 46億円 1105億円 1449億円 75.7%
2011年 1154億円 62億円 33億円 1027億円 1395億円 72.9%