日本政府は2014年の実質GDP成長率を1.0%から1.4%に上方修正。輸出や設備投資の伸びは鈍るものの、2013年12月にまとめた5.5兆円規模の経済対策が下支えする見通し。EUは1.1%から1.2%に上方修正。韓国は新興国の伸び悩みから4.0%から3.8%に、タイは国内で政治的な対立が続いていることが影響し5.1%から4%に下方修正した。 {2014年度GDP成長率見通し}

  見通し
 日本 1.4%
 米国  
 EU 1.2%
 英国 2.4%→2.7%
 オーストラリア 2~3%
 韓国 3.8%
 台湾 2.59%
 中国 7.5%
 インドネシア 5.5~5.9%
 タイ 3~4%
 フィリピン 4%

【日本】 日本政府は2014年度の実質GDP成長率を1.0%から1.4%に上方修正。輸出や設備投資の伸びは鈍るものの、2013年12月にまとめた5.5兆円規模の経済対策が下支えする見通し。 【EU】 欧州連合(EU)の欧州委員会は、2014年2月25日、2014年のユーロ圏実質GDP成長率を1.1%から1.2%に上方修正した。ドイツの成長率は1.8%、イタリアは0.6%、フランスは1%となる見通し。ユーロ圏のインフレは消費者物価指数の伸び率は2014年に1%となると予測。なお、2015年は実質GDP成長率が1.3%、消費者物価指数は1.3%となると予測している。 【英国】 2014年3月19日、英国のオズボーン財務相は2014年の英経済成長率の見通しを2.4%から2.7%に上方修正した。2014年7-9月には2008年の金融危機前のピークを回復するとし、オズボーン財務相は「2018年、2019年には財政黒字化する」と述べた。また、2013年12月15日には、利上げの目安とされる失業率7%を2015年に達成できる見通しを示した。 【オーストラリア】 2013年11月8日、オーストラリア準備銀行は2014年度のGDP伸び率を2.5~3.5%から2~3%に引き下げた。鉱業投資の大幅な落ち込みや予定されている財政緊縮、豪ドルの高止まりの影響を反映した。また、2015年は2.75~4.5%と従来通り伸びが加速するとしている。 【韓国】 韓国中銀は、2013年10月10日、2014年の実質経済成長率見通しを4.0%から3.8%に下方修正した。消費者雇用など内需は底堅く推移するも、新興国が伸び悩むと予想する。 【中国】 中国は、2014年3月5日、第12期全国人民代表大会で2014年の経済成長率目標を7.5%とする方針を表明した。李克強首相は「成長速度の転換期を迎え、経済の下押し圧力はなお大きい」「合理的な成長率を維持しなければならない」と指摘した。鉄道整備などインフラ投資で景気を下支えし、財政赤字は2013年度予算比1500億元増の1兆3500億元、対GDP比2.1%で安定させる。また、物価上昇率目標は2013年と同じく3.5%に据え置いた。 【インドネシア】 インドネシア中銀は、2014年の実質経済成長率見通しを6%~6.4%から5.8%~6.2%に、2014年3月13日には5.8%~6.2%から5.5%~5.9%に下方修正した。インドネシア経済は石炭など資源輸出の減少と国内の好況による輸入増で貿易赤字が拡大。経常収支の赤字が拡大している。 【タイ】 タイ財務省は、2013年12月26日、2014年の実質成長率見通しを5.1%から4.0%に下方修正した。政治的対立が続いていることが影響。また、FRBによる金融緩和縮小は資本流出につながる可能性があり、高水準の家計債務の結果として銀行が抱える不良債権が増大していることがリスクとなっているとしている。