石油輸出国機構(OPEC)は、2015年2月9日、2015年の原油需要見通しを2890万バレルから2920万バレルに上方修正した。原油価格の下落でOPEC非加盟国の原油生産減少を予想した。OPECは日量300万バレルの生産枠を目標としているが、7-9月期には需要量が目標水準を上回る見通しで、原油市場の供給過剰が解消すると予想している。

また、OPECは、2014年11月6日、原油市場の中長期的な需給予測をまとめ。OPEC産原油の需要が2014年の日量3000万バレルから2017年には2820万バレルまで落ち込むと予想。米国などの非加盟国の産出量が増加する。

一方、世界全体の原油需要は2040年に1億1110万バレルと2013年から20%増えると予想。新興国の成長に伴い、ガソリン消費などが貢献。供給面では北米シェールオイル増産が2020年前後にピークを迎え貢献する。

なお、増産への開発投資に年間400億ドル、長期的には600億ドルが必要になると試算している。また、国際通貨基金(IMF)はサウジアラビアの財政収支を均衡させる原油価格を1バレル86ドルと推定している。


OPEC 原油の需給予測

【OPEC産】

  2014年 2015年 2017年
OPEC産 3000万バレル 2920万バレル→2890万バレル(12月)→2920万バレル(2月) 2820万バレル


【世界の原油需要】

  2040年
世界の原油需要 1億1110万バレル

 
【サウジアラビアの財政収支を均衡させる原油価格】

項目 内容
財政収支均衡原油価格 86ドル