米エネルギー省は、2013年5月17日、シェールガスの増産で価格が下落している天然ガスの対日輸出を解禁すると発表。米国は自由貿易協定(FTA)を結んでいない国への天然ガスの輸出を制限してきたが、中部電力、大阪ガスが参画しているフリーポート社の輸出事業を認可。2013年9月11日には住友商事、東京ガス、関西電力が参画しているコーブポイントの輸出を認可。2014年2月11日には三菱商事、三井物産が参画しているキャメロンの輸出を認可した。日本勢3ヶ所4事業全てが承認され、2017年から輸入が始まる見通し。国内ガス消費の30%をシェールガスに転換できる公算。


プロジェクト別関連情報

場所 マーセラス
(ペンシルベニア州
)
コーブポイント
(メリーランド州)
キャメロン
(ルイジアナ州)
フリーポート
(テキサス州)
ピアソール
(テキサス州)
バーネット
(テキサス州)
企業 住友商事 住友商事
東京ガス
三菱商事
三井物産
大阪ガス
中部電力
東芝
大阪ガス 住友商事
東京ガス
参加形態 権益取得 液化委託 液化委託 液化委託 権益取得 権益取得


【マーセラス】
住友商事は、米レックス・エナジー社からマーセラスの権益30%を取得。一帯のガス埋蔵量は全米最大で、住友商事は15年間で液化天然ガス(LNG)換算で年間約500万トンを産出する。


【コーブポイント】
友商事は米ドミニオン社と年間230万トンの天然ガスの液化加工契約を締結。東京ガスが140万トン、関西電力が80万トンを買い取る。2013年9月11日に米エネルギー省がLNG輸出許可を発行。2017年後半からの輸入を目指す。契約期間は2017年から20年間。


【キャメロン】
三菱商事と三井物産は、米センプラ社と年間400万トンずつ、20年間のLNG液化委託契約を締結。2014年2月11日には米エネルギー省の対日輸出許可を得、2017年をめどに調達する。また、三菱商事・三井物産・日本郵船は天然ガスの液化設備を建設し、2017年までに生産能力1200万トンの液化設備を建設する。東京電力は三菱商事と三井物産から年80万トンを、関西電力は三井物産から年40万トンを、東京ガスは三井物産から年52万トンを購入する。

企業 内容
東京電力 三菱商事と三井物産から年80万トン調達
関西電力 三井物産から年40万トン調達
東京ガス 三井物産から年52万トン調達


【フリーポート】
大阪ガスと中部電力は、2012年7月、米国産シェールガスの年間220万トンずつのLNG委託加工契約を米フリーポート社と締結。フリーポートLNGプロジェクトでは、米エネルギー省により日本などへの輸出が認可されたことから、年間440万トンの加工能力を持つ液化設備を3つ建設する予定。 2014年2月、大阪ガスと中部電力は液化設備の1つにそれぞれ600億円ずつ出資し、それぞれ25%の権利を取得。また、2013年9月に東芝は年間220万トンの液化加工契約を締結。2013年12月に千代田化工建設はLNG液化基地プロジェクトでEPCに参画。総事業費は5000億円規模。


【ピアソール】
大阪ガスは、2013年12月20日、米国ピアソール・シェールガス・オイル開発プロジェクトにおいて、経済性に見合った油・ガスが取り出せないことから、減損損失約290億円を特別損失に計上すると発表した。 大阪ガスは2012年6月に米キャボット社から権益の35%を200億円で取得。2012年から30年にわたり天然ガスの生産を行い、米国内で販売する計画で、累計330億円を投資してきた。しかしながら、地層に難があり、現在の採掘技術では経済性に見合った量を確保できないことが判明した。

期間 内容 金額
2012年6月 権益取得 200億円
2012年6月~2013年12月 累計投資 330億円
2013年12月 特別損失 290億円


【バーネット】
東京ガスは、米クイックシルバー・リソーシズ社がテキサス州で開発しているシェールガス田の権益25%を4億8500万ドル(約460億円)で取得。権益分の年間35~50万トンの液化天然ガスを米国市場で売却する計画。

一方、ヘンリーハブは100万BTUあたり3ドル程度を想定していたが、2ドル台前半まで下がり、採算が悪化。2014年度に230億円、2015年度に106億円の減損損失を計上した。

項目 内容
権益取得 460億円
減損損失 336億円

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